僕たちは世界を変えることができない。

「僕たちは世界を変えることができない。」という映画が上映中です。
この映画のストーリーを見て、思い出した事があります。
私は17年前にNGOのボランティアで派遣されて、中米の某国で活動していました。
当時はまだ内戦の爪痕もまだかなり残っていました。その国では国民の90%以上が貧困層でした。
私が活動していたのは鍼灸を通じて、医療にかかる事のできない人々の健康に役立てるようにとの思いでしたが、現実はそんな単純な事ではありませんでした。
日本では、いつでもお医者さんに見てもらい適切な治療が受けられます。しかし、そこでは医師に診てもらって薬の処方箋を出してもらっても肝心の薬が無いのです。運が良ければ買えるというような状況でした。
それで、薬の使わない鍼灸治療が必要とされていました。日本で言えば江戸時代以前の鍼医というイメージだと解りやすいかもしれません。
とにかく、いろいろな患者さんが来ました。鍼灸治療の適応するものなら良いのですが、中には医師が匙を投げた病気の方もかなり来ました。日本ではそんな事はあり得ないので、当時はかなり凹みました。
頼まれて国境近くの山岳部にも行きました。そこでは、地雷の被害に遭った方が多いのですが、よく聞いたのが無いはずの足が痛むのでなんとかしてくれというものでした。ファントムペインというものですが、これは結構鍼灸治療が効果があり喜ばれました。
その村の夜の星空は本当に降って来るようでした。あの忌まわしい大震災の夜も星空がすごかったですが、そんな感じです。
記念に国境まで歩いて行ったのですが、とにかくきちんとした道以外は歩かないように注意されました。まだそこ以外は地雷が埋まっていたからです。もちろん慎重な私は案内してくれた人の足跡を歩きました(笑)。
その後日本の技術で地雷は処理されて安全になったそうです。
こういう事を知るだけでも、今の日本の様々な不安要素はたくさんありますが、日本の底力を信じていますし「僕たちは世界を変えられる」と思っています。

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「本気になれば、世界が変わる。」という言葉も好きです。

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